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人権に関するデータベース

全国の地方公共団体をはじめ、国、国連関係機関等における人権関係の情報を調べることができます。

人権課題 テーマ別

テーマ別 人権課題

政府関係資料

高齢社会対策大綱
情報の種類 政府関係資料
タイトル 高齢社会対策大綱
時期 2001/12/28
主体名
【 内容 】

高齢社会対策大綱


第1 目的及び基本姿勢
1 大綱策定の目的
 我が国の人口構造の高齢化は極めて急速に進んでおり、経済社会の重層的な転換とあいまって国民生活に広範な影響を及ぼしている。今後、戦後生まれの人口規模の大きな世代が高齢期を迎え、我が国は本格的な高齢社会に移行する。
 こうした中で、国民の一人一人が長生きして良かったと誇りを持って実感できる、心の通い合う連帯の精神に満ちた豊かで活力のある社会を確立していくためには、経済社会のシステムがこれからの高齢社会にふさわしいものとなるよう不断に見直し、個人の自立や家庭の役割を支援し、国民の活力を維持・増進するとともに、自助、共助及び公助の適切な組合せにより安心できる暮らしを確保するなど、経済社会の健全な発展と国民生活の安定向上を図る必要がある。
 このため、高齢社会対策基本法(以下「法」という。)第6条の規定に基づき、政府が推進すべき基本的かつ総合的な高齢社会対策の指針として、この大綱を定める。

2 基本姿勢
 高齢社会対策は、法第2条に掲げる次のような社会が構築されることを基本理念として行う。

(1) 国民が生涯にわたって就業その他の多様な社会的活動に参加する機会が確保される公正で活力ある社会
(2) 国民が生涯にわたって社会を構成する重要な一員として尊重され、地域社会が自立と連帯の精神に立脚して形成される社会
(3) 国民が生涯にわたって健やかで充実した生活を営むことができる豊かな社会

 これらの基本理念を実現するため、国及び地方公共団体はもとより、企業、地域社会、NPO(非営利活動団体)、家庭、個人等社会を構成するすべての者が相互に協力し合い、それぞれの役割を積極的に果たすことにより、社会全体が支え合う体制の下、次の基本姿勢に立って、高齢社会対策を推進するものとする。

(1) 旧来の画一的な高齢者像の見直し
 高齢者は、全体としてみると健康で活動的であり、経済的にも豊かになっている。他方、高齢者の姿や状況は、性別、健康状態、経済力、家族構成、住居その他に応じて多様であり、ひとくくりに論ずることはできない。
 このような高齢者の実態を踏まえ、健康面でも経済面でも恵まれないという旧来の画一的な高齢者像にとらわれることなく、施策の展開を図るものとする。

(2) 予防・準備の重視
 高齢期における健康面、経済面、社会関係等に係る問題について、そのような問題が生じてから対処することにとどまらず、国民の生涯にわたる施策の体系的な展開を図るものとする。特に、若年期から資産形成、健康づくり、学習、社会参加等に取り組み、高齢期における問題を予防し、老後に備えるという国民の自助努力を支援するものとする。

(3) 地域社会の機能の活性化
 高齢者の主体的な地域社会への参画を促進するとともに、地域社会における相互扶助その他の機能が活性化するよう、地域の高齢化の状況、都市・農山漁村の別その他の社会的・経済的特性に応じて、必要な条件整備を図るものとする。

(4) 男女共同参画の視点
 高齢期の男女差、特に男性より平均余命の長い女性高齢者の暮らし方、経済状況、健康問題等の実態を踏まえ、生涯を通じて男女が生き生きと安心して暮らせるよう、男女共同参画の視点に立って施策を推進するものとする。

(5) 医療・福祉、情報通信等に係る科学技術の活用
 医療・福祉、情報通信等に係る先端的な科学技術の成果が、高齢者にも広く行き渡るよう、研究開発及び活用の両面での条件整備を図るものとする。


第2 横断的に取り組む課題
 高齢社会対策の一層の推進を図るため、戦後生まれの人口規模の大きな世代が高齢期を迎える十数年後を念頭に置き、分野別の基本的施策の枠を越え、横断的に取り組む課題を次のとおり設定し、関連施策の総合的な推進を図るものとする。

1 多様なライフスタイルを可能にする高齢期の自立支援
 高齢者の多様性に配慮しつつ、高齢者が安心して自立した生活を送れるよう支援するものとする。
 高齢期の自立支援に当たっては、高齢者が様々な生き方を主体的に選択することができるよう、配慮するものとする。特に、今後は、高齢期においても活動的で年齢にとらわれずに多様なライフスタイルを実践したいとする者が増えるとともに、一人暮らしや要介護等の高齢者も増えることが予想されることを踏まえ、これらの者に対応した施策の展開を図るものとする。

2 年齢だけで高齢者を別扱いする制度、慣行等の見直し
 年齢だけで高齢者を別扱いしていることが結果的に高齢者が就業その他の多様な社会的活動に参加することの妨げになっていないかという観点から、就業における年齢制限その他の制度、慣行等について見直しを行うものとする。
 他方、高齢者を年齢だけで一律に優遇している扱いについても、寿命が伸び、高齢者の所得、健康等の状況が変化している中で真に必要か、必要な場合であっても基準としている年齢が適当かについて、見直しを行うものとする。
 また、高齢者に係る人権侵害の問題については、関係機関の連携により積極的な対応を行うものとする。
 さらに、加齢による身体機能の低下にかかわりなく、国民が快適に暮らすことを可能にするため、ユニバーサルデザインの普及を促進するものとする。

3 世代間の連帯強化
 高齢者と若い世代の連帯を強化するため、次の取組を行うものとする。
 家族における世代間の関係については、国民がその家族構成等に応じて世代間で連帯していくことができるよう、必要な条件整備を図るものとする。
 また、社会保障制度等における世代間の関係については、より世代間に公平なものとなるように給付と負担の均衡を図るとともに、負担能力のある者には、年齢にかかわらず、能力に応じ公平に負担を求めるものとする。あわせて、教育又は社会参加の場を通じて、社会保障制度等を支える世代間の連帯の意識を若い世代に育むため、その環境整備を図るものとする。
 さらに、就業その他の多様な社会的活動への高齢者と若い世代の共同参画を促進するとともに、世代間の交流の活性化を図るものとする。

4 地域社会への参画促進
 高齢者の地域社会への参画を促進するため、シルバー人材センターやNPO等の活動基盤の整備及び地域に密着した起業の円滑化の環境整備を図るものとする。
 また、誰もが活動しやすいよう、ユニバーサルデザインの考え方に基づき、公共交通機関、道路、交通安全施設、公共施設、住宅等の生活環境のバリアフリー化を推進するものとする。
 さらに、就業世代を含め生涯を通じた地域社会への参画を促進するため、働き方の多様化・柔軟化、労働時間の短縮、職住近接のまちづくり等を進めるものとする。

 これらの横断的な取組の推進に資するため、加齢又は高齢社会に係る政策に関する学際的な研究及び評価を推進するものとする。


第3 分野別の基本的施策
 上記の高齢社会対策の推進の基本的在り方を踏まえ、就業・所得、健康・福祉、学習・社会参加、生活環境等の分野別の基本的施策に関する中期にわたる指針を次のとおり定め、これに沿って施策の展開を図るものとする。

1 就業・所得
 高齢化が急速に進展する中で、経済社会の活力を維持するため、高齢者がその知識と経験をいかして経済社会の担い手として活躍することができるよう、雇用・就業環境の整備を図る。
 特に、労働力人口の構成の高齢化や公的年金の支給開始年齢の引上げ等を踏まえ、原則として希望者全員がその意欲と能力に応じて65歳まで働けるよう、定年の引上げや継続雇用制度の導入等による安定的な雇用の確保を図る。
 勤労者が、職業生活と家庭や地域での生活とを両立させつつ、職業生活の全期間を通じて能力を有効に発揮することができるよう、職業能力の開発、労働時間の短縮、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の一層の確保、育児・介護休業制度の普及などの施策を推進する。
 職業生活からの引退後の所得については、国民の社会的連帯を基盤とする公的年金を中心とし、これに職域や個人の自助努力による企業年金、退職金、個人年金等の個人資産を適切に組み合わせて、その確保を図る。

(1) 高齢者の雇用・就業の機会の確保
ア 知識、経験を活用した65歳までの雇用の確保
 65歳までの安定的な雇用を確保するため、事業主に対し、定年の引上げ、継続雇用制度の導入等について啓発・指導を行う。あわせて、これらの措置の実施及び賃金・人事処遇制度の見直しその他諸条件の整備に係る相談・援助などを実施するとともに、高齢者の雇用に関する各種助成金制度や給付制度の効果的な活用を図る。
 加齢に伴う心身機能の変化を考慮して、労働災害の防止、健康の保持増進及び職場環境等の改善を図る。

イ 中高年齢者の再就職の援助・促進
 定年、解雇等により離職する中高年齢者が円滑に再就職できるよう、事業主に対し、再就職援助計画制度を活用した在職中からの再就職の援助について指導・援助を行うとともに、離職予定者に対し、的確な職業相談及び職業紹介を行う。
 離職した中高年齢者については、失業期間中の生活の安定を図るため雇用保険を支給しつつ、その早期再就職が可能となるよう、効果的な職業相談及び職業紹介を行うほか、職業能力開発、求人開拓、雇用情報提供等を実施する。

ウ 多様な形態による雇用・就業機会の確保
 高齢期においては、健康、体力面での個人差が拡大するとともに、就業ニーズが多様化することから、多様な形態による雇用・就業機会の確保を図る。
 特に、地域において、退職後に、臨時的・短期的な就業等を希望する高齢者に対し、就業機会を提供するため、シルバー人材センター事業について、実施地域の拡大等積極的な展開を図る。また、同事業において、高齢者の生活支援や介護サービスの提供を推進する。
 その他、勤労者が高齢期及び引退後の生活設計に向けての準備を行えるよう、必要な情報を提供するとともに、事業主による援助を促進する。

エ 起業の支援
 自らの職業経験を活用すること等により、高齢者が事業を創設し、継続的な就業機会を創出することができるよう、起業の意欲を有する高齢者に対して相談・援助等の支援を行う。

オ 年齢にかかわりなく働ける社会の実現に向けた取組
 中高年齢者の再就職の大きな障壁となっている募集・採用における年齢制限の緩和に向け、事業主が適切に対処するための指針に基づき、公共職業安定所が主体となって年齢にかかわりなく均等な機会を与えるよう事業主に対する啓発・指導を行う。
 さらに、将来的には年齢にかかわりなく働ける社会を実現することが必要であり、我が国の雇用慣行にかかわる大きな問題として、国民各層の意見を幅広く聴きながら、当該社会の在り方やそのための条件整備について検討する。

(2) 勤労者の生涯を通じた能力の発揮
ア 勤労者の職業生活の全期間を通じた能力の開発
 勤労者が職業生活の全期間を通じてその能力を発揮できるようにするためには、企業主導の職業能力開発に加え、個人主導の職業能力開発を推進する必要がある。
 このため、民間教育訓練機関、事業主、大学、NPO等のあらゆる教育訓練資源の活用による多様な教育訓練機会の確保・創出、キャリア・コンサルティング等を通じたキャリア形成支援の推進、幅広い職種を対象とした包括的な職業能力評価制度の整備、能力開発に関する情報の収集・提供体制の整備等を推進する。

イ ゆとりある職業生活の実現等
 政府目標である年間総実労働時間1,800時間の達成・定着のため、年次有給休暇の取得促進、所定外労働の削減に重点を置いて、引き続き労働時間短縮の促進に取り組み、高齢者・女性を含めたすべての勤労者に働きやすい職場環境づくりを図る。
 さらに、リフレッシュ休暇の普及を促進するとともに、勤労者が退職後を含めボランティア活動へ参加するためのきっかけをつくり、実際の活動に結びつけるシステムを構築する。

ウ 雇用・就業における女性の能力発揮
 雇用・就業において女性が能力を十分に発揮できるよう、男女の均等な機会及び待遇の一層の確保を図るほか、女性のニーズに対応した職業紹介や職業訓練、農林漁業経営への女性の参画の促進などの施策を推進する。

エ 職業生活と家庭生活との両立支援対策の推進
 育児休業、介護休業を取得しやすく職場復帰しやすい環境づくり、育児や介護をしながら働き続けやすい環境の整備などを進め、仕事と育児・介護とを両立することができる雇用・就業環境の整備を図る。

オ 多様な勤務形態の環境整備
 パートタイム労働や派遣労働など多様な働き方を選択できる環境を整備するとともに、情報通信を活用した遠隔型・職住近接型勤務形態の普及推進を図る。

(3) 公的年金制度の安定的運営
ア 持続可能で安定的な公的年金制度の確立
 公的年金制度については、高齢化が急速に進行する中で、高齢期の生活の基本部分を確実に支えるという機能を将来にわたって担っていくことができるよう、遠い将来の老後の収入を世代間扶養により確実に支える合理的な仕組みであることなど、制度の基本的な考え方と重要性について広報、普及を行うとともに、平成16年までに行うこととなっている次期財政再計算に向けて、世代間の給付と負担の均衡を図り、お互いが支え合う、持続可能で安心できる制度の確立を図る。
 その際、将来世代の負担を過重なものとしないため、現在行われている年金保険料の引上げの凍結を早期に解除することができるように取り組む。また、基礎年金については、国民年金法等の一部を改正する法律(平成12年法律第18号)附則第2条において「給付水準及び財政方式を含めてその在り方を幅広く検討し、当面平成16年までの間に、安定した財源を確保し、国庫負担の割合の2分の1への引上げを図る」とされており、この規定をどのように具体化していくかについて、安定した財源確保の具体的方策と一体として鋭意検討する。

イ 個人のライフスタイルの選択に中立的な公的年金制度の構築
 パートタイマーの増加など就業形態の多様化や女性のライフスタイルの変化などに対応し、就業など個人のライフスタイルの選択によって不合理な取扱いが生じない制度への見直しを進める。

ウ 公的年金制度の一元化の推進
 公的年金制度の一元化については、就業構造の変化、制度の成熟化の進展等に対応し公的年金制度の安定化と公平化を図るため、「公的年金制度の一元化の推進について」(平成13年3月16日閣議決定)に則し、その更なる推進を図る。

(4) 自助努力による高齢期の所得確保への支援
ア 企業年金制度等の整備
 企業年金、国民年金基金、確定拠出年金といった公的年金の上乗せの年金制度については、公的年金を補完し、国民の多様なニーズに応じた自助努力による老後の所得確保を支援するものとして重要な役割を担っている。新たに導入された確定拠出年金の円滑な普及・活用を図るとともに、平成13年6月に成立した確定給付企業年金法(平成13年法律第50号)に基づき、適格退職年金から他の制度への円滑な移行を図る等企業年金の受給権の保護を図る。

イ 退職金制度の改善
 高齢化が進展する中、退職金制度が老後の所得保障として果たす役割は依然として大きいことにかんがみ、退職金の保全を図る等の観点から、社外積立型の制度の導入等を促進する。さらに、中小企業における退職金制度の普及促進を図る。

ウ 高齢期に備える資産形成等の促進
 ゆとりある高齢期の生活に資するため、高齢期の所得の安定を目的とする金融商品等の開発、各種金融サービス等の充実を通じて自助努力による資産形成を促進するとともに、勤労者の在職中からの計画的な財産形成を引き続き促進する。
 あわせて、高齢者の有する資産を活用して高齢期の生活資金を賄う方法について環境整備を推進する。
 また、判断能力が不十分な高齢者の安全な財産管理の支援に資する成年後見制度の周知を図る。

2 健康・福祉
 若年期からの健康づくりによって高齢期に至っても長く健康を保つようにし、健康を害してもできるだけ回復に努め、健康を損なっても悪化を防いで日常生活の維持を図り、健やかで充実した生活を確保し、長寿を全うできるよう、生涯にわたる健康づくりを総合的に推進する。
 高齢者介護については、介護を国民皆で支え合う仕組みとして創設された介護保険制度の着実な実施を図り、その定着を図る。また、平成12年度から開始されている「ゴールドプラン21」を着実に実施することにより、質の高い介護サービス基盤の整備を図るとともに、今後急増が見込まれている痴呆性高齢者の支援対策等を推進する。
 また、今後の高齢社会においても、安心して良質な医療を受けることができるよう、医療の質を保ちながら老人医療費の伸びを適正なものとしつつ、老人医療費を世代間、医療保険制度間で公平に分担していく仕組みへと高齢者医療制度を再構築する。
 さらに、活力ある高齢社会の構築には少子化への対応が重要であることから、子育てを支援するための施策を総合的かつ計画的に推進する。

(1) 健康づくりの総合的推進
ア 生涯にわたる健康づくりの推進
 栄養・食生活、運動、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣の若年期からの見直しを行うことにより、健康を増進し、疾病を予防する「一次予防」に重点を置いた対策を推進する。個人による選択を基本とした、国民の主体的な健康づくりを支援するため、十分かつ的確な情報を提供するとともに、社会全体として支援する環境の整備を図る。また、性別、年齢別等の差異を踏まえ、科学的根拠に基づいた目標を設定し、目標を達成するための活動の成果を適切に評価して、その後の健康づくりに反映させる。
 このような健康づくり対策を進めていくため、普及啓発や調査研究の推進を図るとともに、健康づくりに関連する関係機関、民間団体等が相互に協力し、連携して推進する体制を整備し、地域における具体的な健康づくりに関する計画が策定されるよう支援する。さらには、事業場における健康保持増進措置など勤労者の健康管理等の実施を促進することはもとより、地域及び職域における保健サービスにおいて、相互の連携を円滑に進めるための共通の基盤づくりを推進する。

イ 健康づくり施設の整備等
 生涯にわたる健康づくりに資するため、地域における健康づくり施設の整備等を推進するとともに、自然とのふれあいの中で健康づくりができるよう、必要な施設等の整備等を推進する。あわせて、健康づくりの支援の役割を担う人的資源の確保を図る。

ウ 介護予防の推進
 高齢者が寝たきりなどの要介護状態になったり、要介護状態が更に悪化したりすることがないように、介護予防施策の推進を図る。

(2) 介護保険制度の着実な実施
 介護を国民皆で支え合うことにより要介護高齢者等の自立を支援する制度として創設された介護保険制度の着実な実施を図る。また、その実施状況を踏まえ、運用面において必要な改善を行うこと等により、制度の定着を図る。
 また、介護保険の関連施策として、一人暮らし高齢者の生活支援等の施策の充実を図る。

(3) 介護サービスの充実
ア 必要な介護サービスの確保
 地方公共団体における介護保険事業計画等の状況を踏まえ、「ゴールドプラン21」に基づき、要介護高齢者の需要に応じた良質な介護サービス基盤の計画的な整備を進める。
 このため、訪問介護員、介護福祉士等の人材の養成確保を図るほか、特別養護老人ホームや老人保健施設などの介護関連施設の整備を進める。
 また、福祉用具・住宅改修の適切な普及・活用の促進を図る。
 あわせて、介護労働者の雇用管理の改善、公共職業安定所及び民間による労働力需給調整機能の強化などを図る。

イ 介護サービスの質の向上
 高齢者介護サービスを担う介護支援専門員、訪問介護員、介護福祉士等の資質の向上を図るとともに、利用者が介護サービスを適切に選択し、良質なサービスを利用できるよう、情報通信等を活用した事業者の情報公開等を進める。
 また、特別養護老人ホームの全室個室・ユニットケア化を進めるとともに、介護施設における身体拘束廃止に向けた取組を推進する。

ウ 痴呆性高齢者支援対策の推進
 今後急増が見込まれる痴呆性高齢者に対する支援を図るため、痴呆対応型共同生活介護(グループホーム)の整備を進めるとともに、痴呆介護に関する研究、専門職の養成、研究・研修のためのネットワークの整備など痴呆介護の質的な向上を図る。また、痴呆性高齢者の相談体制や権利擁護の仕組みを充実させる。

(4) 高齢者医療制度の改革
ア 対象年齢・公費負担の見直し
 高齢者医療については、後期高齢者に施策を重点化する観点から、新しい高齢者医療制度が創設されるまでの間、現行制度の対象年齢を75歳以上とするとともに、公費負担割合を引き上げる。
 その際、対象年齢の引上げに伴い一般医療の対象となる70歳から74歳の者の患者負担については、75歳以上の者と同様の取扱いとなるよう配慮する。

イ 患者負担の見直し
 高齢者医療については、低所得者に配慮しつつ完全定率(1割)負担とするとともに、一定以上の所得の者に対しては応分の負担とする。

ウ 医療費総額の伸びの適正化
 医療費、特に高齢者人口の増を大きく上回って増加する老人医療費について、その伸びを適正なものとするよう、伸び率抑制のための指針を定め、その指針を遵守できるような方策を検討し、実施するものとする。

エ 新しい高齢者医療制度の創設
 高齢者医療制度については、高齢化のピーク時を視野に入れて、その基本的性格、財源構成、介護保険との関係、中心的な論点となっている拠出金の取扱い等について論議を進め、できるだけ速やかに新たな制度創設の実現を目指す。

オ 医療提供体制の改革
 医療提供体制については、限られた資源を最も有効に活用できる体制を構築し、情報の開示に基づく患者の選択を尊重しながら、医療の質の向上と効率化を図り、国民の医療に対する安心と信頼を確保する。

(5) 子育て支援施策の総合的推進
 少子化に的確かつ迅速に対応し、我が国を家庭や子育てに夢や希望を持つことができる社会としていくため、多様で良質な保育サービスや母子保健医療体制の充実など、子育て支援のための施策を総合的に推進する。特に、保育所の受入れ児童数の計画的な増加を図る待機児童ゼロ作戦の推進、幼稚園における子育て支援の充実、放課後児童の受入れ体制の整備等を重点的に進める。

 なお、健康・福祉に係るサービスに対する需要に的確にこたえるとともに、サービスの質の向上と効率化を図るため、民間事業者やNPO法人(特定非営利活動法人)など多様な主体の参入を促進するとともに、その健全な育成及び活用を図る。また、身近な地域においてサービスを総合的に提供する体制を確立するとともに、住民相互の支え合いの仕組みづくりを進めるため、地方公共団体による地域福祉計画の策定を支援する。

3 学習・社会参加
 高齢社会においては、価値観が多様化する中で、学習を通じての心の豊かさや生きがいの充足の機会が求められ、経済社会の変化に対応して絶えず新たな知識や技術を習得する機会が必要とされることから、生涯のいつでも自由に学習機会を選択して学ぶことができ、その成果が適切に評価される生涯学習社会の形成を目指す。
 また、高齢者が年齢にとらわれることなく、他の世代とともに社会の重要な一員として、生きがいを持って活躍できるよう、ボランティア活動を始めとする高齢者の社会参加活動を促進するとともに、高齢者が自由時間を有効に活用し、充実して過ごせる条件の整備を図る。
 さらに、ボランティア活動を始めとするNPO等やシルバー人材センターにおいて行う活動は、自己実現への欲求及び地域社会への参加意欲を充足させるとともに、福祉に厚みを加えるなど地域社会に貢献し、世代間、世代内の人々の交流を深めて世代間連帯や相互扶助の意識を醸成するものであることから、誰もが、いつでも、どこでも、気軽に活動に参加できるよう、自発性を尊重しつつ、基盤の整備を図る。

(1) 生涯学習社会の形成
ア 生涯学習の推進体制と基盤の整備
 生涯学習社会の形成を目指し、学習機会の体系的整備を図るため、社会教育施設、高等教育機関等の関係機関及び民間団体等との連携を図りつつ、生涯学習を総合的に推進する体制を整備することとし、地域における連携を図るための会議の開催、総合的推進に必要な基本計画等の策定などを推進する。
 また、生涯学習の機会の提供に係る基盤の整備として、生涯学習に関する普及・啓発、情報提供・相談体制の充実、指導者の確保及び資質の向上を図るとともに、学習成果の適切な評価の促進を図る。

イ 学校における多様な学習機会の確保
 初等中等教育機関においては、地域等との連携を図りつつ、ボランティア活動など社会奉仕体験活動等による高齢者との交流等を通じて、介護・福祉などの高齢社会に関する課題や高齢者に対する理解を深める。
 また、大学等の高等教育機関においては、社会人に対する高度で実践的な学習機会の提供を図るため、社会人特別選抜の実施、夜間大学院の設置、昼夜開講制の実施などの取組を促進するとともに、放送大学の学習環境の整備・充実を図る。
 さらに、地域住民を対象とする開放講座の開催、余裕教室を活用した社会教育の実施など学校の教育機能や施設の開放を促進する。

ウ 多様な学習機会の提供
 多様化・高度化する国民の学習ニーズに対応するため、民間事業者の健全な発展の促進を図るとともに、公民館、図書館、博物館等における社会教育の充実、美術館等における文化活動の推進、スポーツの振興などにより、情報通信も活用しつつ、生涯にわたる多様な学習機会の提供を図る。

エ 勤労者の学習活動の支援
 勤労者が一定期間職場を離れて学習活動を行うことのできる体制を整備するため、有給教育訓練休暇制度の普及促進などを図るとともに、自発的に職業能力の開発・向上に取り組む勤労者個人を直接支援する施策を推進する。

(2) 社会参加活動の促進
ア 高齢者の社会参加活動の促進
 活力ある地域社会の形成を図るとともに、高齢者が年齢にとらわれることなく、他の世代とともに社会の重要な一員として、生きがいを持って活躍できるよう、高齢者の社会参加活動を促進する。
 このため、情報通信等も活用して高齢者と若い世代との交流の機会を確保し、ボランティア活動を始めとする高齢者の自主的な活動を支援するとともに、高齢者の社会参加活動に関する広報・啓発、情報提供・相談体制の整備、指導者養成などを図る。
 また、国際交流の進展に伴い、高齢者等の能力を広く海外において活用するため、高齢者、退職者等の専門的知識・技術を海外技術協力等に活用した事業を推進する。
 さらに、高齢者の利用に配慮した余暇関連施設の整備、既存施設の有効活用、利用情報の提供、字幕放送等の充実などにより、高齢者がレクリエーション、観光、趣味、文化活動等で充実した時間を過ごせる条件を整備する。

イ NPO等の活動基盤の整備
 誰もが気軽にボランティア活動を始めとするNPO等の活動に参加できるようにするために、地域における関係機関又は民間団体相互の効果的な連携を図りつつ、活動の基盤を整備する。
 このため、ボランティア活動に関する広報・啓発、情報提供、相談、登録・あっせんの体制を整備し、入門講座や体験事業などを実施する。
 また、ボランティア活動のリーダー、コーディネーター等の養成・研修を実施するとともに、ボランティア活動の拠点を確保する。
 さらに、団体として活動できる基盤を整備するため、NPO法人制度の普及・活用等を推進する。

4 生活環境
 住宅は生活の基盤となるものであることから、生涯生活設計に基づいて住宅を選択することが可能となる条件を整備し、生涯を通じて安定したゆとりある住生活の確保を図る。そのため、居住水準の向上を図り、住宅市場の環境整備等を推進するとともに、親との同居、隣居等の多様な居住形態への対応を図る。また、高齢期における身体機能の低下に対応し自立や介護に配慮した住宅及び高齢者の入居を拒否しない住宅の普及促進を図るとともに、福祉施策との連携により生活支援機能を備えた住宅の供給を推進する。
 高齢者等すべての人が安全・安心に生活し、社会参加できるよう、自宅から交通機関、まちなかまでハード・ソフト両面にわたり連続したバリアフリー環境の整備を推進する。
 また、関係機関の効果的な連携の下に、地域住民の協力を得て、交通事故、犯罪、災害等から高齢者を守り、特に一人暮らしや障害を持つ高齢者が安全にかつ安心して生活できる環境の形成を図る。
 さらに、快適な都市環境の形成のために水と緑の創出等を図るとともに、活力ある農山漁村の形成のため、高齢化の状況や社会的・経済的特性に配慮しつつ、生活環境の整備等を推進する。

(1) 安定したゆとりある住生活の確保
ア 良質な住宅の供給促進
 安定したゆとりある住生活の基盤となる良質な住宅ストックの形成に向け、平成27年度を目途に全国で3分の2の世帯が、また、すべての都市圏で平成22年度を目途に半数の世帯が誘導居住水準を確保できるよう努める。また、特に、大都市地域の借家居住世帯に重点を置いて、最低居住水準未満の世帯の解消に努める。
 このため、持家については、若年期からの計画的な取得・改善努力への援助等を推進する。借家については、良質な民間賃貸住宅の供給を促進するための支援制度の活用等を図るとともに、公共賃貸住宅の適切な供給に努める。さらに、高齢者の住宅資産の活用の観点も含め、中古住宅市場、住宅リフォーム市場等、住宅市場の環境整備等を推進する。

イ 多様な居住形態への対応
 持家における親との同居等のニーズに対応するため、融資制度の活用等により同居等に適した住宅の建設及び増改築を促進する。
 また、高齢者の賃貸住宅への円滑な入居を確保するため、高齢者の入居を受け入れる住宅の登録制度の普及・活用を推進する。
 さらに、高齢者世帯向けの公共賃貸住宅の供給を図るとともに、公共賃貸住宅の供給に当たり親との同居、隣居、血縁に基づかない共同居住等のニーズへの対応を図る。

ウ 自立や介護に配慮した住宅の整備
 高齢者等に配慮した住宅ストックの形成に向け、平成27年度において、手すりの設置、広い廊下幅の確保、段差の解消等がなされた住宅ストックの割合を全住宅ストックの2割とするほか、同年度までに、居住者の個別の事情に応じたバリアフリーリフォームがなされた住宅ストックを新たに2割形成することを目標とする。
 このため、高齢者の居住する住宅の設計に係る指針の普及、融資制度の活用等により、高齢者の自立や介護に配慮した住宅の建設及び改良の促進を図る。また、高齢者の身体機能の低下に配慮した仕様の公共賃貸住宅の建設及び改良を推進するとともに、民間活力を活用した高齢者のための良質な賃貸住宅の供給を促進するための支援制度の活用を図る。
 また、住宅と福祉の施策の連携強化を図り、生活支援サービスの提供を行う高齢者向け住宅の供給、生活支援施設を併設した公共賃貸住宅団地の整備などを推進する。

(2) ユニバーサルデザインに配慮したまちづくりの総合的推進
ア 高齢者に配慮したまちづくりの総合的推進
 高齢者等すべての人が安全・安心に生活し、社会参加できるよう、自宅から交通機関、まちなかまでハード・ソフト両面にわたり連続したバリアフリー環境の整備を推進するとともに、職住近接のまちづくりを推進する。また、日常生活に必要な様々な支援を行う輸送サービスの促進を図る。

イ 公共交通機関のバリアフリー化、歩行空間の形成、道路交通環境の整備
 駅等の交通ターミナルにおけるエレベーターの設置等高齢者を含むすべての人の利用に配慮した施設・車両の整備の促進などにより公共交通機関のバリアフリー化を図る。
 また、ユニバーサルデザインに配慮した道路に関する基準等を整備し、幅の広い歩道の整備等を通じてバリアフリーな歩行空間ネットワークの形成を図る。
 さらに、高齢者が交通量の多い道路でも安全に横断でき、また、安心して自動車を運転し外出できるよう、バリアフリー対応型の信号機の整備、道路標識等の大型化、高輝度化の推進等の道路交通環境の整備を進める。

ウ 建築物・公共施設等の改善
 病院、劇場等の公共性の高い建築物のバリアフリー化の促進を図るとともに、窓口業務を持つ官庁施設等を高齢者はもとより、すべての人の利用に配慮した仕様とすることを推進する。

エ 福祉施策との連携
 福祉・医療施設の市街地における適正な立地の計画的誘導、公園との一体的整備を進めるとともに、施設周辺の基盤の整備を図るなど、福祉施策と連携したまちづくりを推進する。また、農山漁村において、ほ場整備等による福祉・医療施設の用地の創出、農園等との一体的整備を図る。

(3) 交通安全の確保と犯罪、災害等からの保護
ア 交通安全の確保
 高齢者の交通事故の防止を図るため、高齢者に配慮した交通安全施設の整備、参加・体験・実践型の交通安全教育の推進、高齢ドライバーを対象とした適性診断の実施、高齢者交通安全指導員(シルバーリーダー)の養成、各種の普及啓発活動の推進等による高齢者への交通安全意識の普及徹底を図る。

イ 犯罪、人権侵害、悪質商法等からの保護
 犯罪、痴呆症等によるはいかいに伴う危険、人権侵害、悪質商法等から高齢者を保護するため、各種施策を推進するとともに体制の整備を図る。
 特に、要介護等の高齢者に対する家庭や施設における虐待、家族や悪質業者などによる財産権の侵害については、高齢者の人権に関する啓発、人権相談及び人権侵犯事件の調査・処理を通じ、その予防及び被害の救済に努める。

ウ 防災施策の推進
 災害については、高齢者が大きな被害を受けやすいことを踏まえ、高齢者の保護に係る防災施策の推進を図る。

(4) 快適で活力に満ちた生活環境の形成
ア 快適な都市環境の形成
 緑豊かで安全、快適な都市環境を形成するため、都市公園の整備、道路の緑化、高齢者の憩いと交流の場ともなる親しみやすい水辺空間の整備等を行う。また、商店街の空き店舗を活用した交流施設の設置など、高齢者も利用しやすい商店街の整備を図る。

イ 活力ある農山漁村の形成
 活力ある農山漁村の形成を図るため、農山漁村の新たな担い手の定着及び育成確保を推進することはもとより、高齢者が農林水産業等の生産活動、地域社会活動等で能力を十分に発揮できる条件を整備するとともに、高齢者が安心して快適に暮らせるよう、地域特性を踏まえた生活環境の整備を推進する。さらに、活力ある開かれた地域社会を形成する観点から都市と農山漁村との間の共生と交流を促進する。

5 調査研究等の推進
 科学技術の研究開発とその活用は、高齢化に伴う課題の解決に大きく寄与するものであることから、高齢者に特有の疾病及び健康増進に関する調査研究、高齢者の利用に配慮した福祉用具、生活用品、情報通信機器等の研究開発など各種の調査研究等を推進するとともに、そのために必要な基盤の整備を図る。

(1) 各種の調査研究等の推進
ア 高齢者に特有の疾病及び健康増進に関する調査研究等
 痴呆、がん等高齢期にかかりやすい疾患について、ゲノム科学など先端科学技術の活用等による新たな医療技術・新薬の研究開発やその成果の臨床応用のための研究、これらによる効果的な保健医療技術を確立するための研究等を推進する。
 また、老化に関する基礎研究とその成果の臨床応用のための研究や生活習慣病に関する研究、効果的・効率的な介護等に関する研究、健康づくりに関する研究等を推進する。

イ 福祉用具等の研究開発
 高齢者の自立及び社会参加を支援するとともに介護負担を軽減する観点から、高齢者の特性等を踏まえつつ、福祉用具及び医療機器の研究開発を推進する。

ウ ユニバーサルデザインの生活用品等の研究開発
 高齢者を含め誰にとっても安全で使いやすい生活用品、生活基盤、システム等の開発を支援する観点から、その基盤となる人間生活工学に関する研究開発を推進し、ユニバーサルデザインの生活用品等の研究開発を促進する。

エ 情報通信の活用等に関する研究開発
 情報通信等の新たな技術を高齢者の就業、保健・医療・福祉、学習・社会参加、生活環境等に活用することに関し、ハード及びソフトの両面において研究開発を推進する。

(2) 調査研究等の基盤の整備
ア 研究推進体制等の整備
 高齢者に特有な疾病に関する包括的医療(長寿医療)に関する診療・研究体制等を充実するため、国立高度専門医療センターを整備するほか、関係試験研究機関の充実、厚生科学研究に係る補助制度の充実等を図る。
 また、研究開発等を効率的に推進するため、高齢者の身体特性等に関するデータベースの整備、福祉用具等の評価手法の確立等を行い、高齢化に対応した標準化の推進を図る。
 さらに、老化研究等に重要な生物遺伝資源の整備等研究支援体制の充実を図る。

イ 人材の養成等
 専門的研究者の養成を図るとともに、研究交流を活発化し、人材の流動化を促進する。
 また、国際共同研究の推進、研究情報の交換、研究者の交流の促進等国際的な研究協力を推進する。


第4 推進体制等
1 推進体制
 高齢社会対策を総合的に推進するため、高齢社会対策会議において、本大綱のフォローアップ、国会への年次報告の案の作成等重要事項の審議等を行うものとする。

2 推進に当たっての留意事項
 高齢社会対策の推進に当たっては、以下の点に留意するものとする。
(1) 内閣府、厚生労働省その他の関係行政機関の間に緊密な連携・協力を図るとともに、施策相互間の十分な調整を図ること。
(2) 可能な限り目標を明確にした計画に基づき、施策の着実な推進を図るとともに、政策評価、情報公開等の推進により、効率的かつ国民に信頼される施策を推進すること。
(3) 高齢化の状況及び高齢社会対策に係る情報の収集・分析を行うとともに、これらの情報を国民に提供するために必要な体制の整備を図ること。
(4) 高齢社会対策の推進について広く国民の意見の反映に努めるとともに、国民の理解と協力を得るため、効果的な広報、啓発及び教育を実施すること。

3 大綱の見直し
 本大綱については、政府の高齢社会対策の中長期的な指針としての性格にかんがみ、経済社会情勢の変化等を踏まえて必要があると認めるときに、見直しを行うものとする。